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** vanish into the blue **

身辺雑記。
郵活とか読書記録とか、日々の雑事を備忘録的に。
 
アート&温泉・別府旅-7
0
    鉄輪から別府へ戻ってきて、最後に見納め。
    3度目の《Sky Mirror》へ。





    見ている間はもちろん、
    この場を離れてからも存在感を増す稀有な作品。
    ふとした瞬間に
    「Sky Mirrorは今どんな空を映しているのだろう」
    と気になってくるのだ。






    Sky Mirrorと、
    この時、Sky Mirrorが映し出していた空。



    <2018年10月15日16時頃>


    <2018年10月15日18時頃>


    <2018年10月16日10時頃>


    <2018年10月16日17時30分頃>

    二度と同じ表情は見られない。
    欲を言えば、もう少し青空な日に見てみたかったなぁ。




    最後に関サバ食べて、




    別府タワー見て、帰りました。

     
    | アート・展覧会 | 22:53 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    アート&温泉・別府旅-6
    0
      お昼を食べた後も、温泉!!!
      別府温泉と一口に言っても、
      別府・浜脇・鉄輪・明礬・観海寺・亀川・柴石・堀田温泉
      の8か所の温泉があります(別府八湯)。

      この中から、高台にあって眺めが良いというので、
      行ってみたかった観海寺温泉に・・・と思っていたらバスを乗り間違えて



      地獄めぐりでお馴染みの鉄輪温泉に来てしまった!
      せっかくなので鉄輪を楽しむことに。




      いでゆ坂ポケットパークで、温泉を飲み、






      足湯と足蒸を。
      特に足蒸が大好き。
      2つの穴にそれぞれ足を入れて、箱形の蓋をする。
      穴をタオルなどで塞ぐとより熱がこもっていい感じ!
      ここは、地獄蒸しのレストランもあって、とても賑やか。
      足蒸は、いでゆ坂を下って、筋湯通りに入ったところにある、
      鉄輪むし湯ポケットパークにもある。
      こちらは4席ほどしかないけど、静かなので良い。






      さらに大谷公園に行くと、足湯や足蒸よりもハードルの低い、足岩盤浴も。
      黒い岩盤の上に、靴下のまま足を乗せるとじんわり温かい。
      足湯・足蒸・足岩盤浴、と、3つを制覇して、




      最後にホテル風月HAMMONDで入浴。
      お湯は、少し鉄の感じが強いように思いました。


      そして、鉄輪から別府に戻る途中、
      バスに乗らず30分ほど歩いてみました。



      こんな、珍しい&読めない地名に出会ったり、




      すばらしい景色に出会ったり。
      歩くペースだと、素敵なあれやこれやも見逃さずに済みます。
      土地勘も磨けるし、知らない土地に来ると、
      なるべくあちこち歩き回って、いろんなものを見たいです。
       
      | アート・展覧会 | 23:35 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
      アート&温泉・別府旅-5
      0
        アートの次は温泉。
        ホテルで1湯目を済ませて、別府公園でカプーア見て、
        2湯目は、末広温泉。



        実は、前日に行ったら休業日だった・・・
        満を持しての入浴!
        そしてここにも、アートがあるのです。
        大平由香理さんが浴室の壁に山を描いています。
        富士山、ではなくて、由布岳(男湯には鶴見岳が描かれているそうです)。
        ピンクを基調にした可愛い雰囲気の女湯でした。


        末広温泉からてくてく歩いて清島アパートへ。







        アーティストたちのアトリエになっている。
        ・・・らしいけど、この日は残念ながら誰もいなかった。
        イベントの日とか決まっているのかな?


        さらに歩いて、お昼ごはん。





        別府冷麺の有名店「六盛」です。
        何度も別府には来ていて冷麺も好きなんですが、
        今までタイミングが悪くて(定休日とか開店時間に間に合わないとか)
        初めての訪問になりました!
        すごくさっぱりしているんだけど、
        じわじわとしみてくる味わい深いスープ。
        美味しかったです。

         
         
        | アート・展覧会 | 18:45 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
        アート&温泉・別府旅-4
        0
          さてさて、別府旅2日目。

          朝一で、またまた《Sky Mirror》を見に行きました。
          別府駅から別府公園へ向かう途中、



          岡本太郎の壁画!




          そして、アート・プロジェクトのひとつ、ネルホルの作品。
          ネルホルは、デザイナーと彫刻家のアーティストデュオだそうです。




          この日は、看板の周囲をくるくる回っているカラスに遭遇。
          カラスは頭の良い鳥だといいますが、
          自分の姿が映っていることを理解していたのでしょうか?(笑)




          お!
          テントがだいたい片付いている!!
          良かった。




          しかも、朝一は、周りの立ち入り禁止ロープもなかった!




          なので、ここまで近づけました(ズームじゃないですよ)。
          磨き上げられたステンレス!




          角度を変えて、






          裏側にも回ってみると、こんな感じ。

           
          | アート・展覧会 | 23:58 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
          アート&温泉・別府旅-3
          0
            ちょっと話が前後しますが、1日目の竹乃井で温泉を堪能した後、
            別府公園に向かいました。
            今回の旅のメインイベント「アニッシュ・カプーア in BEPPU」。



            もう、この看板からテンション上がるし!

            イギリスで活躍するインド生まれの現代彫刻家アニッシュ・カプーアの新作が
            ここ、別府で見られるという嬉しい企画。
            ステンレスなどの素材に周囲の景色を映して作品に取り込む手法や
            光を吸収する素材(塗料)を使って立体を平面的に見せる手法などで
            精力的に制作を続けているカプーア。

            今回の目玉は《Sky Mirror》。





            突如現れる“異界への入り口”
            直径5mの円形のステンレスに、空が写し出される。
            天候、時間、見る角度によって、さまざまに表情を変える。
            芝生も気持ちいいし、ずっと眺めていたくなる。




            裏側に回ると、月が!


            ただ、この日、残念だったのが、前日?までイベントが開催されていたようで
            その後片付けが済んでいなくてテントの残骸などが散乱していて。
            後ろにトラックいたり、目立つ赤白のテントが残っていたり、
            作品を邪魔するものが周りに多すぎました。

            引きで撮影するとこんな感じでした↓↓





            ん〜、残念だった。


            カプーアの作品は、このほか2つあり(その2つは有料)、
            一つが「コンセプト・オブ・ハピネス」で、絵画と彫刻の展示と併せて
            BBCが制作したカプーアを追うドキュメンタリー映像の上映。
            もう一つが「Void Pavilion V」という世界初公開作品。
            どちらも、面白かった!

            「Void Pavilion V」の、視覚の頼りなさを感じるあの不思議な感覚が良かった。
            それから「黒」という色へのこだわり。
            光を99.9%吸収してしまうという黒い塗料「ペンタブラック」。
            カプーアは、それを独占して使用する権利を買ったらしい。
              
            ドキュメンタリー映像は、妥協を許さないカプーアの考え方が良くわかったし、
            以下の言葉がとてもカッコよく、心に残った。

            「美しいもの、スピリチュアルなものなど、作れない。
                     可能なのは、それが存在することに気づくこと」

              
            | アート・展覧会 | 22:33 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
            アート&温泉・別府旅-2
            0
              JRで別府へ移動。
              途中の車窓から見える海がきれいでした。
              別府駅前には、別府の観光開発に尽力した油屋熊八像があるのですが、



              別府でラグビーのワールドカップが開催されるのでしょうか。
              まさか熊八さんもこんな衣装を着せられるとは思ってもみなかったでしょう。


              さてさて、別府といえば温泉!!
              本日の1湯目、別府タワーの隣にある「竹乃井」さん。





              外観は、赤地に白の水玉模様で、ちょっと草間彌生さん風。
              モダンでかわいい。
              今日はJRで別府に来たけど、北浜のバス停から近いので、
              バスで来たときは、着いてすぐに向かえるロケーションだなぁ、と。






              内部も、マイケル・リンさん的な、
              着物の柄のような和の壁紙がアクセントになっていたり、
              フロントが真っ赤でかなりモダンな印象だったり。

              展望大浴場は、眺めが良くて爽快。
              ただ、湯につかりながら景色が眺められると、より良かったかも。
              (でも、そうすると逆に外からお風呂の中が覗かれてしまうのか…)
              時間も利用開始時間直後の14時と早かったため、貸切状態。
              本によると、こちらの温泉はメタケイ酸が豊富で、
              保湿に優れた美肌の湯とのこと!


              温泉の後は、この旅のもう一つの目的、アートを楽しんだのですが、
              それは後述するとして。


              この日2湯目は、紙屋温泉。



              路地裏にひっそり佇む、でも、地元のお客さんでにぎわう温泉でした。
              たしか19時くらいに行ったのですが、先に上がる方が「お先に」と声をかけると、
              他の皆さんが「おやすみなさい」と返していたのが、地元感たっぷりで。
              もちろん私もここぞとばかりにマネしました(笑)
              地元の常連さんの日常が垣間見え、そしてその温かい交流を味わえて、
              うれしい温泉体験でした。


              この後、ホテルの温泉で、3湯目。
              別府旅1日目は3カ所の温泉を堪能しました。頑張りすぎ?(笑)


               
              | アート・展覧会 | 21:37 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
              アート&温泉・別府旅-1
              0
                別府旅、といいつつ、旅の始まりは大分。
                大分アートの拠点・大分県立美術館。



                いつ来てもカッコいい「OPAM」の文字。
                後ろの、らせん状の・・・タワー?階段?エレベーター?
                ちゃんと見たことないな。

                まずは、無料の「海と宙(そら)の未来」展へ。
                深海と宇宙の最先端の技術を見た後は、
                展示室内がプラネタリウムになる!という注目の
                「MEGASTAR 〜138億光年の彼方へ」(こちらは有料)。
                プラネタリウム・クリエーター 大平貴之さんのナビゲートで宇宙を旅します。
                やっぱり、展示室なので、椅子はなくて床に座る(クッションあり)、
                視界の端に投影機がチラチラ入ってしまう、など難はありつつも
                これで500円なら悪くはないかな。

                そして、コレクション展へ。
                「出会いの場」「祈りの谷」「水の森」「耕す里」「豊かな浦」
                ――大分県内を5つのブロックに分けて紹介。
                「おおいた美術散歩」というタイトルいいですね。

                ちょうど中学生?のグループがいて、男の子たちが宇治山哲平の抽象画の前で
                あれやこれやと論議していたのが、見ていて面白かった。
                いろいろと想像力を刺激されていたようです。


                最後は、カフェでランチ。



                ランチに付いてくる久住高原サラダが大好き。
                何種類の野菜が入ってるのだろう。




                クリームパスタは、大分県産どんこしいたけと自家製ベーコン。
                しいたけの香りが強くて、美味しかったです。

                器は「飛びカンナ」が特徴的な、小鹿田焼。

                 
                | アート・展覧会 | 12:40 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                この星の光の地図を写す、再び
                0
                  高知県美でも見たけど、北九州でも石川直樹さんの個展。
                  作品ひとつひとつも良いけど、作品同士のつながりや展示空間全体も素敵。
                  一部をのぞいて写真撮影可なのが嬉しい。



                  もともと、友人に「面白い人がいる!」と、
                  石川さんのことを教えてもらったのがファンになったきっかけ。
                  写真集よりも先に、とりあえずの入門書としてオススメされたエッセイ集
                  『全ての装備を知恵に置き換えること』(集英社文庫)を読んで、
                  その魅力に落ちた!

                  多分、最初に買った写真集は『POLAR』だったかな〜。




                  写真+石川さんの言葉。




                  世界各地の壁画を追うシリーズ。






                  富士山。
                  三角形(山のかたち!)の展示がカワイイ。




                  今回、この写真集『CORONA』を購入。
                  石川さん、山のイメージ強いけど、海もスゴイ。
                  星を頼りに海を渡る伝統航海術(スターナビゲーション)を学んだ経験あり。
                  奥の上に展示されているのは、師から譲り受けたという木製の櫂。








                  世界で2番目に高い山・K2。
                  そして世界で最も登頂が難しい山(エベレストよりも!)。




                  動画の中では、雪崩の様子も。






                  基本的に高知と展示作品は同じだけど、北九州の特別展示として
                  最後に、北九州市内を撮影した作品が数点ありました。
                  しかも初公開!!

                   
                  | アート・展覧会 | 23:52 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                  運命に踊る!
                  0
                    北九州芸術劇場で上演された
                    森下真樹「ベートーヴェン交響曲第5番『運命』全楽章を踊る」に
                    行ってきました!!

                    東京で初演を見て、すごく感動したのですが、
                    今回もすごくすごく良かったです。
                    初めて見た時は、ひたすら「すげー!すげー!!」(←語彙力!)
                    って感じでしたが、今回は少し落ち着いて味わうことができた気がします。

                    4人の振付家が、各楽章を担当し、踊るのは森下真樹さん一人。
                    それぞれ個性的な振付けでしたが、全体を通して見た時に
                    一貫した物語であるような、不思議な「つながってる感」がありました。

                    森山未來さんの第2楽章は、森下さんのお人柄が分かるような振付け。
                    目力とアルカイックスマイル!!
                    未來さんが「ぼくは森下さんのこんなところが好きです!」って言ってるような。
                    鳥やサルなど、動物の求愛行動がモチーフだったとか。
                    それにしても森下さん、表情もくるくる変わって、素敵でした。
                    第1楽章では力強くてしなやかな身体の動きがカッコいい!と思ったのですが、
                    うってかわって、かわいらしさとユーモアの第2楽章でした。

                    写真家・石川直樹さんの第3楽章=大山岳ショー!!
                    なぜ写真家が振付けを?「ぼくが一番驚いています」とは石川さんの言葉。
                    ガッツリ振付けしたというよりは、映像で見せていました。
                    この映像は、富士山に二人で登った時に撮影したものだそう。
                    その人を知りたいと思ったら、
                    一緒に登山し、素を見るのが、石川さんのスタイルと(笑)
                    なにそれ独特すぎる!
                    風と雨のなか、はいつくばって斜面を登っていく森下さんの姿と
                    一歩一歩地面を踏みしめていくかのような第3楽章の旋律と。
                    こんなに第3楽章にピッタリ合っていたのに、
                    本番で流す前提で撮ったものではないというから驚き。
                    そして、登りつめた先には・・・歓喜が待っている!
                    アタッカでそのまま第4楽章へ。

                    ダンスは守備範囲外というか全然見慣れていないのでアレなのですが、
                    MIKIKOさん、笠井叡さんは正統派な振付けなのかな、という感じがしました。
                    第1楽章のMIKIKOさんパートは舞台を4つに区切った空間の使い方が面白かった。
                    狭い所に閉じ込められて少し窮屈で、そこから「運命」に立ち向かうイメージ。
                    「運命の喉首を締め上げてやる」(byベートーヴェン)的な振りもあったような?

                    逆に笠井さんの第4楽章では、舞台上からすべての小道具が取り払われ
                    ひとつの広い空間をいっぱいに使って、森下さんが縦横無尽に踊りまくる!!
                    物理的心理的に、窮屈な区切りが取り払われた解放感・開放感。
                    これぞ、ベートーヴェンの「苦悩を突き抜けて歓喜に至る」という人生哲学か。


                    本編はもちろん素晴らしかったのですが、
                    森下真樹さんと、第3楽章の振付けを担当した写真家・石川直樹さんの
                    アフタートークがこれまた面白かった。

                    なぜ、写真家である石川さんに振付けを依頼したのか?
                    命がけの冒険をしている石川さんこそ「運命」にぴったりで、
                    自分の知らない世界をたくさん知っている石川さんに
                    「新しい世界」を見せてほしかった、と森下さん。
                    対して「ぼくに依頼するなんて真樹さんのほうがよっぽど冒険家だ」と石川さん。

                    また、お二人が初めて対面し、森下さんから石川さんに振付けの依頼をした時、
                    石川さんは、最初「写真で振付けをしてほしい」と言う森下さんに
                    「何を言ってるのかよくわからないんですけど・・・」と、返事を保留しつつ、
                    お互いをよく知るため、富士山に一緒に登ろうと誘ったそう。
                    でも、森下さんはそれを「快くOKしてくれた」と解釈。
                    「ちゃんと返事してないよ!」「いや、OKって・・・」という、
                    このあたりのお二人の噛み合わなさで場内爆笑。

                    音楽やダンスって時間の芸術で、時間の経過とともに消えてゆくものだけど、
                    写真は、逆に時間を止める芸術であり、記録として残すもの。
                    真逆の芸術が出会ったことに「運命」を感じる、なんて言ってみたくなったり。

                    いつかオーケストラの生演奏で踊りたい、と森下さん。
                    ぜひぜひ!見たい見たい!!
                    6月にピアノ(リスト編曲版?)の生演奏で踊ったということですが、
                    見たかったなぁ〜〜。

                    あ、石川直樹さんの写真展が、同じリバーウォーク内の美術館で開催中。
                    こちらもあわせて楽しかった!


                     
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                    文字に宿る記憶の行方
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                      正木香子さんの『本を読む人のための書体入門』雑感の続き。



                      書体が生む印象は、人の感性や想像力の問題であるはずなのに、
                      昨今では、ある特定の感情を呼び起こすために書体が作られ、
                      便利に多用されている。
                      それを、正木さんは「ファストフードみたいな文字」と表現し、憂いている。
                      この指摘にもはっとさせられた。

                      「何もないところに人間の想像力が働くからこそ、言葉以上の凄みが生まれたり、
                       存在しないはずの気配を感じたりするのです」(p.181)


                      また、手書きの文字についても面白いことが書かれていた。
                      その人の個性が表れる手書き文字は
                      「その人だけがつかうことのできる特別なフォント」(p.110)であり、
                      「まるでオリジナルの文体を確立するように、
                       文字がひとつのスタイルをあらわしていて、
                       読者は文字を通して作品世界に深く入っていくことができる」(p.110)
                      そんな書体を、「オレ書体」(p.111)と表現している。

                      先に紹介した平野甲賀さんの書体は、
                      「コウガグロテスク」というフォントとして販売されたらしい。
                      手書きの文字って、書いた人の性格が出る。
                      (逆に性格とは正反対の文字を書く人もいて、それはそれで面白い!)
                      家族や友人、同僚の文字は、だいたい見分けられるという人が多いのではないか。
                      私の文字は汚くて辟易するけど、「誰でも自分の書体を持っている」(p.111)
                      なんて素敵な言葉を読むと、まあいいのかな、と肯定したくなってきた。

                      手書き文字について印象的な話がもうひとつ。
                      書家・石川九楊の言葉を引いて、
                      パソコンで打った文字(自分の書き文字ではない文字)は、
                      「自省の美徳」が失われる、と。
                      パソコンで書いた自分の文章は、どこか他人事のよう。
                      自分の文章を客観視できることは、とてもいいことだけど、
                      たしかに「自省」する気は起らない。
                      これも、きちんと言葉にしたことはないけれど、
                      誰もが感じていることかもしれない。


                      最後に、正木さんの言う「文字の居場所」(p.174)について。
                      人の記憶を呼び起こすような、そしてそんな共通の記憶を作り得るような文字が
                      (書体を吟味するということも含めて)、今は大切にされているのか。
                      ファストフード的な便利な書体に頼りすぎてはいないか。

                      少し長いけど引用する。

                      書体を選び、伝えるということは、
                      他人とは違う感性を見せびらかすようなものではなくて、
                      共感との出会いをつくること。
                      人を思いやり、人を信じる気持ちが根本にあるのだと思います。

                      同じ社会に生まれながら、
                      別々の思いを抱えて生きる人々の心に「重なり」を見つけだす。
                      それは同時に、時代を超えた新しい重なりをつくっていく、
                      うことでもあるのではないでしょうか。

                      なぜなら、文字そのものが、
                      人びとの記憶になって残る大切な風景の一部なのですから。

                      (pp.174-175)


                      私たちは、本を読むとき、何かの情報を得るために文字を見るとき、
                      無意識のうちに文字の中に記憶を見出そうとしている。奥深い文字の世界。
                      読書好きが、その本の世界観にどっぷりつかることができるのは、
                      文字そのものと私たちとが持つ共通の記憶のおかげなのだ。

                        
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