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    03 マッカレイの小説じゃあるまいし・・・
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      『快傑ゾロ』って知っていますか??

      アントニオ・バンデラス主演の映画「マスク・オブ・ゾロ」(1998年)および続編の「レジェンド・オブ・ゾロ」(2005年)の原作、というと「ああ、あれね」という方もいらっしゃるだろうか。

      1996年にNHKでアニメーションを放映してました、というと「おおーっ!懐かしい!!」と思われる方。いらっしゃったら、是非お友達になってください。

      『快傑ゾロ』は、ジョンストン・マッカレー(McCulley, Johnston 1883-1958)というアメリカの作家が生み出した世界的ベストセラー小説。発表当初から現在に至るまで、世界各国で数多くの映画やテレビシリーズ、アニメーションなどなど様々なメディアに展開している。



      「『快傑ゾロ』とその周辺」について書こうと思っていることは多々あって、実際に書き進めていたんだけど・・・ファイルを保存していたUSBに不具合が生じ、ちょっと途方に暮れていました。ファイルの大半が壊れてしまい、まあ、頑張って修復しようと思っていた矢先、光文社文庫版の乱歩全集の第4巻『孤島の鬼』に収録されている「猟奇の果」に思いがけなくマッカレーの名が出てきたので、そのことを書いてみる。

      とはいえ、今後もう少し調べていくための整理篇って感じで(だいたい「猟奇の果」に出てくるマッカレーの小説まだ読んでないもの)。




      *********************


      ◆双生児といえばマッカレー?


      「猟奇の果」は、主人公・青木愛之助が九段坂で友人の品川四郎に瓜二つの人物がスリを働いているところを目撃したことから始まる。青木が見た男は品川四郎なのか全くの別人なのか。悩む青木がつぶやくのが次のセリフ。

      「馬鹿馬鹿しい、マッカレイの小説じゃあるまいし、あんなに寸分も違わぬ人間が、この世に二人いるものだろうか」
      (『江戸川乱歩全集 第4巻 孤島の鬼』 光文社文庫 2003年8月 p.349)

      ここには、註釈が付いていて、

      「マッカレイの小説  アメリカの小説家ジョンストン・マッカレー(Johnston McCulley 一八八三〜一九五八)の『双生児の復讐』(一九二七)。一九五五年に乱歩名義で『暗黒街の恐怖』(のち『第三の恐怖』)として児童向きにリライトされたこともある。原著者の代表作は『快傑ゾロ』だが、日本では「地下鉄サム」シリーズの多くの短編が「新青年」に訳出されて親しまれた。あとに出てくるサムとクラドック刑事はその登場人物」(平山雄一)

      とある。

      『猟奇の果』(1930)も『双生児の復讐』(1927)も同じ博文館という出版社から刊行されているので、『猟奇の果』の読者が『双生児の復讐』も読んでいた可能性は高そう。当時の探偵小説界では、双生児が出てくる小説=マッカレーの『双生児の復讐』というのは常識的なことだったのかも。


      ちなみに、サムとクラドック刑事が出てくるのは、九段坂の一件から一ヶ月後、青木が百貨店の人込みのなかに再び品川のソックリさんを見つける場面。

      「愛之助は地下鉄でサムを見つけたクラドック刑事の様に目を見はった」
      (前掲乱歩全集 p.351)

      サムは地下鉄を専門に仕事をするスリで、クラドックはそれを追う刑事。九段坂の品川ソックリさんもスリを働いていた、ということで「地下鉄サム」が容易に連想されるのだ。



      ◆『双生児の復讐』


      「地下鉄サム」はここではおくとして、『双生児の復讐』について。

      原作はジョンストン・マッカレーのThe Avenging Twinsで、長谷部史親『欧米推理小説翻訳史』の「ジョンストン・マッカレー」の章によると、アメリカで雑誌に掲載された後、1927年に2冊の本にまとめられたという。

      日本では1924年に雑誌『新青年』誌上で、「新春増刊探偵小説傑作集」(5巻2号)には和気律次郎の訳で掲載され、1926年2月号(7巻2号)には小川一水の訳で掲載されている(中島河太郎編『新青年傑作選 第5巻』(立風書房 1991年)の「新青年所載作品総目録」より)。その後、和気律次郎訳『双生児の復讐』(探偵傑作叢書 博文館1927年)が出版された(1930年には春陽堂からも『探偵小説全集15』として出ている)。


      私が未読なので、大変心苦しいけれど前掲の長谷部の本からストーリーを紹介する部分を引くと、

      「この物語の骨子は、早くに父を失って伯父に育てられたピーターとポールの双生児が、大恩ある伯父を滅亡に追い込んだ六人の悪徳実業家や政治家を相手に、それぞれ最も効果的な手段で痛快な復讐を遂げてゆくというものである」

      と、タイトル通りの双子による復讐譚ということらしい(筋だけ聞くと何だかありきたりな気もするが・・・それでも面白そうではある)。



      ◆『双生児の復讐』と日本の大衆文学


      さて、大正期の日本において、西洋のいわゆる大衆文学が紹介されるようになると、これらを吸収、咀嚼した日本人作家たちによって日本独自の大衆文学が生みだされてきた。もちろんマッカレーも日本の大衆文学の成立に少なからぬ影響を与えた一人であり、長谷部は、『双生児の復讐』が、前田曙山「落花の舞」(1924)、三上於菟吉「敵討日月双紙」(1925)「雪之丞変化」(1934)、下村悦夫「彼岸千人斬」(1925)などへ影響を与えたことを指摘している。

      さらに戦後、光文社版の乱歩全集の註釈にあるように江戸川乱歩によるリライト作品『暗黒街の恐怖』(世界名作探偵文庫 ポプラ社 1955年)および『第三の恐怖』(世界推理小説文庫 ポプラ社 1962年)が出版されるに至る、と。

      マッカレーの名を知る日本人は少ないだろうけど、そのエッセンスは日本の大衆小説のなかにも息づいていて、長谷部の言葉を借りれば、「こうした状況を通して、実際に『双生児の復讐』を読むと読まざるとにかかわらず、日本人の心の中にはマッカレーという作家が、いつしか知らず知らずのうちに浸透していったのである」ということになるだろう。



      | 『快傑ゾロ』とその周辺 | 21:08 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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