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** vanish into the blue **

身辺雑記。
郵活とか読書記録とか、日々の雑事を備忘録的に。
 
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    東京ミュージアムショップ巡り・戦利品〜上野〜
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      ミュージアムショップが大好きです。
      美術館も大好きです。
      展覧会も楽しみだけど、ショップでの買い物もとても楽しみです。
      ミュージアムショップには、展覧会に付随する関連グッズものみならず、
      ちょっとオシャレなアート的グッズが並んでいます。
      いや、展覧会見なくてもショップだけでも!ということも(笑)。
      しかも、ショップだけなら無料で利用できる美術館・博物館がほとんどです。

      というわけで、たくさんの美術館・博物館が集まる上野へ。


      まずは、駅から離れている東京藝術大学美術館へ。





      開催中の「近代洋画の開拓者 高橋由一」展を観覧。
      藝大の≪鮭≫に加えて、山形美術館(寄託)の≪鮭≫、
      笠間日動美術館の≪鮭図≫の3点が一堂に会するという話題の展覧会でした。
      山形の≪鮭≫は初めてみました。

      ここぞとばかりに、ショップにはいろんな鮭グッズが並んでいました。
      展覧会観て、興奮冷めやらぬときには何でも買いがちなんですが、
      ちょっと冷静になろうと努め・・・。
      だって吊られた鮭(しかも一部切られてる)の一筆箋とか
      美術ファンへはともかく、フツーには使いづらそうだし(笑)。



      とりあえず、定番のポストカードを3種。
      左から、山形、藝大、笠間の鮭です。




      藝大の鮭の切手も買ったことだし、誰かに手紙書こう。
      でも、相手選ぶよなぁ。

      ちなみに、鮭フィギュアストラップが大人気で売り切れ。
      予約販売となっていました。
      ずいぶんと生々しいシロモノだと思うのですが、
      展覧会観覧後の勢いで購入→我に返って後悔・・・というグッズでは?(笑)。

      藝大オリジナルグッズでは絵具チューブにパンダがしがみついてるピンバッチが、
      すごく可愛かったです。
      買おうか迷って結局やめた。
      買えばよかったなぁ。可愛かったなぁ。



      続いて、トビカンこと東京都美術館。
      リニューアルオープン後、初めて行ってきました。
      ショップはB1で、かなり広くなっていました。
      アート関連はもちろん、オシャレ系ステーショナリーなど充実。
      6月30日からの「マウリッツハイス美術館展」に向けて
      フェルメールやオランダに関連するグッズがたくさん並んでいました。
      ≪真珠の耳飾りの少女≫が来るんですよね。
      私、フェルメールはそんなに惹かれない・・・。
      10月からは「メトロポリタン美術館展」ですか!
      ゴッホの≪糸杉≫来るらしいので、こっちの方が見たいなぁ。
      ショップは素敵なものはたくさんあったけど、結局なにも買いませんでした〜。



      そして、トウハクこと東京国立博物館。



      110周年らしい。

      ショップ利用は無料だけど、窓口で「ショップ利用券」をもらわなきゃ
      入れてもらえません(昔は口頭で「ショップに行きたい」と言えば入れてくれたけど)。




      前々から気になっていた埴輪スタンプ、
      思い切って買ってみました。
      「踊る人々」と「犬」。古墳時代(6世紀)のものがモチーフ。
      可愛いよ〜〜。






      そして、定番の所蔵品ポストカード。
      切手を買った≪麗子像≫と≪松林図屏風≫を。

      これから、切手とセットでポストカードを集めてみようと思います。

       
         
      | アート・展覧会 | 10:23 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
      東京ミュージアムショップ巡り・戦利品〜切手の博物館3〜
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        次はお隣のロータスさん。
        切手趣味週間の橋口五葉の≪髪梳ける女≫と≪化粧≫の切手を探していたので
        お店の方に出していただきました。



        浮世絵研究もしていた五葉の版画作品。
        東京国立近代美術館ほか、いくつか所蔵している美術館があるはず。


        今までは出会ったら買うというスタンスだったんですが、
        こうして、お店の方にお目当てのものを出してもらうのも効率的だなぁ。

        せっかくなので日本の近代美術系の切手も出していただきました。
        いつか、近代美術シリーズはコンプリートしたい。


        今回はとりあえず、



        (左)
        青木繁≪わだつみのいろこの宮≫1907年、石橋美術館蔵、重要文化財
        同じく重文の≪海の幸≫も石橋のコレクションです。

        (右)
        萬鉄五郎≪もたれて立つ人≫1917年、東京国立近代美術館蔵
        これ、たしか「ぬぐ絵画―日本のヌード 1880-1945」展でも展示されていました。
        http://www.momat.go.jp/Honkan/Undressing_Paintings/highlight/index.html
        東近美で萬といえば、≪裸体美人≫も良い作品ですよね。




        (左)
        速水御舟≪炎舞≫1925年、山種美術館蔵、重要文化財
        生で見たときは感動しました。

        (右)
        菱田春草≪黒き猫図≫1910年、永青文庫蔵、重要文化財
        モナリザ・スタンプさんに菱田春草の肖像写真の切手が売っていましたが
        ちょっと手がでない値段でした(笑)。
        春草って結構イケメンです。




        (左)
        岸田劉生≪麗子住吉詣之立像≫1922年、個人蔵
        今回買った切手のなかで、これだけ実際に作品を見たことがない。
        個人蔵なので、大規模な劉生展とかじゃないと見れないだろうなぁ。
        昨年開催された大阪市美の生誕120年展にも出ていなかった。

        (右)
        岸田劉生≪麗子像≫1921年、東京国立博物館蔵、重要文化財
        麗子像は劉生が愛娘を描いた作品で、
        5歳から16歳までの複数の麗子像が残されている。
        東博の≪麗子像≫は教科書にも載っているし、一番有名な麗子像でしょう。
        一連の麗子像からは、麗子さんの成長と、劉生の画風の変遷を見ることができて面白い。




        高橋由一≪鮭≫1877年頃、東京藝術大学美術館、重要文化財
        この切手を買った後、藝大までこの作品を観に行きました。


        価格は、1枚だと+10〜20円で、4枚買うと額面でOKとのこと。
        せっかくなので4枚ずつ購入しました。

        たくさん使ってやります!!


           
        | 切手・郵活・風景印 | 20:30 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
        東京ミュージアムショップ巡り・戦利品〜切手の博物館2〜
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          さて、切手の博物館は、エントランス入って右側が展示室(要観覧料)、
          左側が無料で利用できるショップになっています。

          展示を見終わったら、無料ゾーンのショップへ。
          奥に進むと、モナリザ・スタンプさんとロータスさんの2店舗があります。
          大きな平たい箱に小分けになった切手が入っていますので、
          そこから宝探しみたいに好みの切手を探していくのが楽しいんです。
          また、希望のものがあれば、お店の方に相談すると、
          膨大なファイルのなかから探し出してくれます。

          まずは一番奥のモナリザ・スタンプさんへ。




          地図モチーフの切手(収集強化中)。




          りんご。
          100年記念って何だ?




          大阪万博2種。
          右側の切手にご注目。
          左下に太陽の塔のシルエットが!!一目ぼれでした。



          集めている美術系のものもGETです。



          長谷川等伯≪松林図屏風≫。
          上野にある東京国立博物館の所蔵です。




          林静一。
          角川文庫から出ている寺山修司の本のイラスト、というイメージ。
          でも、一般的には「小梅ちゃん」でしょうか。




          平福百穂《荒磯(ありそ)》(1926年)。
          東京国立近代美術館の常設展で見たことがあります。
          ていうか、これ、川端龍子の作品だと思い込んでいた・・・。




          梅原龍三郎≪雲中天壇≫(1939年)。
          京都国立近代美術館の所蔵。
          これ、調べてみたら元々の作品は縦長の構図でした。
          大胆にトリミングしてあります。




          おまけでディズニー切手を1枚入れてくださいました。


              
          | 切手・郵活・風景印 | 23:32 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
          東京ミュージアムショップ巡り・戦利品〜切手の博物館〜
          0
            JR目白駅から徒歩5分。
            大好きな切手の博物館へ行ってきました。





            入り口から可愛い。
            消印型のOPENのサインとか。




            企画展示の「かわいいキノコ・キノコの魔法」展ももちろん楽しみですが
            やっぱりショップでのお買い物ですよね〜〜。




            こんなに買ってしまいました。


            ほとんど買い物目当てとはいえ、展示もちゃんと見ますよ〜〜。
            こちらの企画展はテーマとか切り口とか見せ方とか、しっかりしていて、
            「ただ切手並べてます」じゃないのが嬉しい。
            今回ツボにはまってしまったのが、「マッシュルームカット」の
            ビートルズメンバー(すみません、誰かわかりません)の切手が展示されていたこと。
            こういう遊び心、好きです。


            さてさて、本題(笑)。
            展示室横のショップ(利用には観覧料が必要)では、毎回、企画に合わせた切手も並ぶ。
            今回なら、キノコの切手。

            可愛いのがいっぱいあって迷ったけど、私はこちらをお買い上げ。



            今まではキノコの切手なんてそんなに惹かれなかったのにな。
            展示を見て、キノコの可愛さに目覚めてしまいました。


            こちらは日本のシイタケ切手(無料エリアのモナリザ・スタンプさんで購入)。



            国際食用きのこ会議って何?(笑)
            展示の解説によると、日本で発行された切手で、
            キノコが単独で描かれたものはコレしかないそうです。
            え〜〜、唯一がシイタケって!
            決して可愛くないこともないんだけど、特別可愛いわけでもない。
            なんだか複雑な気持ちになりますね。


            他には



            ハンガリーの花切手。




            ポーランドの蜂と花切手。


            それからそれから、テーマ別の使用済み切手10枚セット。
            花、建物、印象派の3セットを購入。


            花セットはこんな感じ。







            中国の百合の切手(一番上の写真の右上)、タブには蝶が描かれています。



            建物セットはこんな感じ。











            そしてそして、収集強化中の美術系切手の印象派セット。
            特に、ロートレックとゴーギャンが欲しくて。



            左からモネ、ドガ、ロートレック。
            この静物画のモネはモネっぽくないですね。
            初期の作品とかかな。まだ少し写実っぽいし、色も暗い。




            マネにルノワール。




            ゴッホにゴーギャン。




            もう一枚ロートレックに、セザンヌ。
            サント・ヴィクトワール山といえば、東京のブリヂストンにもありますが、
            これはどこのサント・ヴィクトワール山だろう?
            調べてみました。

             ↓ ↓

            ≪ビベミュの石切場から見たサント・ヴィクトワール山≫ 1897年
            ボルティモア美術館(アメリカ・ワシントンDC)蔵


            初めて聞く美術館でした。


               
            | 切手・郵活・風景印 | 23:42 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
            デリパンダ
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              近所の古本屋で見つけて思わず買ってしまいました。



              デリパンダ。
              出演は、バナナマン、おぎやはぎ、荒川良々。
              全員大好きです。




              結構、凝った作り。




              DVDが3枚。
              明日は休みなので、見るぞー。


              | 日常 | 23:05 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
              04 マッカレイの小説じゃあるまいし・続
              0
                ◆「類別トリック集成」における分類

                話を江戸川乱歩に戻そう。乱歩が書いた探偵小説についての評論集をまとめた『続・幻影城』に、古今東西の探偵小説に出てくるトリックを分類整理した「類別トリック集成」(初出は雑誌『宝石』の1953年9,10月号。『続・幻影城』に収録されているのは、それを補丁したもの)がある。これは私の大好きな中井英夫の『虚無への供物』にも出てくるのだが、それはさておき。

                「類別トリック集成」で、マッカレーの『双生児の復讐』は、「〔第一〕犯人(又は被害者)の人間に関するトリック(二二五例)」のうち、「(A)一人二役(一三〇例)」の「(7)替玉(二人一役と双生児トリック)(一九例)」に分類されている。替玉のトリックについては、「他人を自分の替玉にしてアリバイを作り嫌疑を免れる。そのほか一人二役というよりも二人一役と考えた方がふさわしい各種トリック。双生児が二人一役を勤める〔原文ママ〕トリックもここに加えた」としている。



                ◆「二人一役」に魅了された作家

                この「二人一役」というトリックについて、乱歩は桃源社版の『江戸川乱歩全集』の「猟奇の果」あとがきで、「私を評する人が「彼の作品は大部分が一人二役かその変形にすぎない」といったのは当たっている」と書いている。

                乱歩としては、一人二役物は、乱歩自身で書くのも他作家が書いたものを読むのも好きだったのではないだろうか。特に『双生児の復讐』については、自ら児童向けにリライトしているくらいなので、「一人二役好き」の乱歩も愛着を持っていたのだろう。マッカレーの作品は、私は『快傑ゾロ』と「地下鉄サム」シリーズ数編と『パリの怪盗』(Black star)だけしか読んでいないけど、ゾロだって一人二役物だし。乱歩にとって、マッカレーは、同じように「一人二役に魅せられた作家」として気になる一人だったのかもと想像すると、乱歩もマッカレーも好きな私は何だか嬉しくなる。



                ◆マッカレーの再評価へ

                私はまだ『双生児の復讐』を読んでいないので、「類別トリック集成」の分類に関しては何とも言えないけど(早く読もう…)、マッカレーの小説が乱歩の目に留まり、トリックが分析され、その評論のなかに登場することに「おおっ!」と思うわけで。

                『双生児の復讐』についてさらっと見てきただけでも、乱歩に評価されていたり、日本の大衆小説へも影響を与えていたりと、マッカレーは決して軽視していい作家じゃなさそう。「ゾロ」というキャラクターばかりが有名で、作家自身はアメリカでも評価されていないらしいけど。また、「地下鉄サム」をはじめ戦前の日本でこれだけマッカレーの小説がもてはやされたのはなぜか。マッカレーの小説の「日本人受けする要素」というのはどこにあったのか(もちろん翻訳者の工夫もあっただろうけど)。そもそも「ゾロ」というキャラクターは日本どころか世界規模で大人気だ。その「ゾロ」の生みの親であり、日本においては探偵小説や大衆小説の発展に大きな影響を与えた作家が、このまま忘れ去られてしまうのは何だか寂しい(ので、再評価されればいいなぁ ←と、あくまで他力本願)。



                ◆参考
                ・江戸川乱歩『孤島の鬼』(江戸川乱歩全集 第4巻 光文社文庫2003年8月)
                  ※「猟奇の果」は、月刊誌『文藝倶楽部』(博文館)に1930年1-12月まで
                   連載された後、1931年に博文館から刊行された(「解題」より)
                ・江戸川乱歩『続・幻影城』(江戸川乱歩全集 第27巻 光文社文庫2004年3月)
                ・長谷部史親『欧米推理小説翻訳史』(本の雑誌社 1992年5月)
                  ※初出は『翻訳の世界』1990年6-9月号


                | 『快傑ゾロ』とその周辺 | 22:36 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                ツリーとタワー
                0
                  東京にいます。
                  ミュージアムショップめぐりをしています。
                  特に、目白の切手の博物館で散財してしまいました。



                  いっぱい切手を購入。
                  そして・・・



                  高橋由一の≪鮭≫の切手を買った後、
                  藝大美術館で本物の≪鮭≫を見てきました。
                  ポストカードも買っちゃった。


                  さらに・・・



                  昨日は、隅田川からスカイツリーを、




                  今日は六本木ヒルズから東京タワーを見て。


                  満喫。


                    
                  | 日常 | 22:55 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                  03 マッカレイの小説じゃあるまいし・・・
                  0
                    『快傑ゾロ』って知っていますか??

                    アントニオ・バンデラス主演の映画「マスク・オブ・ゾロ」(1998年)および続編の「レジェンド・オブ・ゾロ」(2005年)の原作、というと「ああ、あれね」という方もいらっしゃるだろうか。

                    1996年にNHKでアニメーションを放映してました、というと「おおーっ!懐かしい!!」と思われる方。いらっしゃったら、是非お友達になってください。

                    『快傑ゾロ』は、ジョンストン・マッカレー(McCulley, Johnston 1883-1958)というアメリカの作家が生み出した世界的ベストセラー小説。発表当初から現在に至るまで、世界各国で数多くの映画やテレビシリーズ、アニメーションなどなど様々なメディアに展開している。



                    「『快傑ゾロ』とその周辺」について書こうと思っていることは多々あって、実際に書き進めていたんだけど・・・ファイルを保存していたUSBに不具合が生じ、ちょっと途方に暮れていました。ファイルの大半が壊れてしまい、まあ、頑張って修復しようと思っていた矢先、光文社文庫版の乱歩全集の第4巻『孤島の鬼』に収録されている「猟奇の果」に思いがけなくマッカレーの名が出てきたので、そのことを書いてみる。

                    とはいえ、今後もう少し調べていくための整理篇って感じで(だいたい「猟奇の果」に出てくるマッカレーの小説まだ読んでないもの)。




                    *********************


                    ◆双生児といえばマッカレー?


                    「猟奇の果」は、主人公・青木愛之助が九段坂で友人の品川四郎に瓜二つの人物がスリを働いているところを目撃したことから始まる。青木が見た男は品川四郎なのか全くの別人なのか。悩む青木がつぶやくのが次のセリフ。

                    「馬鹿馬鹿しい、マッカレイの小説じゃあるまいし、あんなに寸分も違わぬ人間が、この世に二人いるものだろうか」
                    (『江戸川乱歩全集 第4巻 孤島の鬼』 光文社文庫 2003年8月 p.349)

                    ここには、註釈が付いていて、

                    「マッカレイの小説  アメリカの小説家ジョンストン・マッカレー(Johnston McCulley 一八八三〜一九五八)の『双生児の復讐』(一九二七)。一九五五年に乱歩名義で『暗黒街の恐怖』(のち『第三の恐怖』)として児童向きにリライトされたこともある。原著者の代表作は『快傑ゾロ』だが、日本では「地下鉄サム」シリーズの多くの短編が「新青年」に訳出されて親しまれた。あとに出てくるサムとクラドック刑事はその登場人物」(平山雄一)

                    とある。

                    『猟奇の果』(1930)も『双生児の復讐』(1927)も同じ博文館という出版社から刊行されているので、『猟奇の果』の読者が『双生児の復讐』も読んでいた可能性は高そう。当時の探偵小説界では、双生児が出てくる小説=マッカレーの『双生児の復讐』というのは常識的なことだったのかも。


                    ちなみに、サムとクラドック刑事が出てくるのは、九段坂の一件から一ヶ月後、青木が百貨店の人込みのなかに再び品川のソックリさんを見つける場面。

                    「愛之助は地下鉄でサムを見つけたクラドック刑事の様に目を見はった」
                    (前掲乱歩全集 p.351)

                    サムは地下鉄を専門に仕事をするスリで、クラドックはそれを追う刑事。九段坂の品川ソックリさんもスリを働いていた、ということで「地下鉄サム」が容易に連想されるのだ。



                    ◆『双生児の復讐』


                    「地下鉄サム」はここではおくとして、『双生児の復讐』について。

                    原作はジョンストン・マッカレーのThe Avenging Twinsで、長谷部史親『欧米推理小説翻訳史』の「ジョンストン・マッカレー」の章によると、アメリカで雑誌に掲載された後、1927年に2冊の本にまとめられたという。

                    日本では1924年に雑誌『新青年』誌上で、「新春増刊探偵小説傑作集」(5巻2号)には和気律次郎の訳で掲載され、1926年2月号(7巻2号)には小川一水の訳で掲載されている(中島河太郎編『新青年傑作選 第5巻』(立風書房 1991年)の「新青年所載作品総目録」より)。その後、和気律次郎訳『双生児の復讐』(探偵傑作叢書 博文館1927年)が出版された(1930年には春陽堂からも『探偵小説全集15』として出ている)。


                    私が未読なので、大変心苦しいけれど前掲の長谷部の本からストーリーを紹介する部分を引くと、

                    「この物語の骨子は、早くに父を失って伯父に育てられたピーターとポールの双生児が、大恩ある伯父を滅亡に追い込んだ六人の悪徳実業家や政治家を相手に、それぞれ最も効果的な手段で痛快な復讐を遂げてゆくというものである」

                    と、タイトル通りの双子による復讐譚ということらしい(筋だけ聞くと何だかありきたりな気もするが・・・それでも面白そうではある)。



                    ◆『双生児の復讐』と日本の大衆文学


                    さて、大正期の日本において、西洋のいわゆる大衆文学が紹介されるようになると、これらを吸収、咀嚼した日本人作家たちによって日本独自の大衆文学が生みだされてきた。もちろんマッカレーも日本の大衆文学の成立に少なからぬ影響を与えた一人であり、長谷部は、『双生児の復讐』が、前田曙山「落花の舞」(1924)、三上於菟吉「敵討日月双紙」(1925)「雪之丞変化」(1934)、下村悦夫「彼岸千人斬」(1925)などへ影響を与えたことを指摘している。

                    さらに戦後、光文社版の乱歩全集の註釈にあるように江戸川乱歩によるリライト作品『暗黒街の恐怖』(世界名作探偵文庫 ポプラ社 1955年)および『第三の恐怖』(世界推理小説文庫 ポプラ社 1962年)が出版されるに至る、と。

                    マッカレーの名を知る日本人は少ないだろうけど、そのエッセンスは日本の大衆小説のなかにも息づいていて、長谷部の言葉を借りれば、「こうした状況を通して、実際に『双生児の復讐』を読むと読まざるとにかかわらず、日本人の心の中にはマッカレーという作家が、いつしか知らず知らずのうちに浸透していったのである」ということになるだろう。



                    | 『快傑ゾロ』とその周辺 | 21:08 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                    パーフェクトペンシル
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                      仕事で鉛筆をよく使うので、
                      カッコいいor可愛いデザインの鉛筆を見ると、ついつい買ってしまう。




                      最近、飛びついたのがコレ。
                      デザインのみならず、実用性もあります。
                      ドイツのメーカー、ファーバーカステルの鉛筆。






                      ちょっと大きめキャップ。




                      何と、シャープナーが付いている!
                      うわ!便利!!!

                      「ファーバーカステルKIDS パーフェクトペンシル 」。
                      KIDS?子供用?マジで??
                      実はKIDS用ではない「パーフェクトペンシル」というのもあって
                      これは3150円なんですよねぇ。
                      さすがに手が出なかったけど、KIDSの方は630円。
                      赤・青・黒の3色あって、迷いに迷って青。
                      ほら、vanish into blue だし?

                      ペンケースにシャープナー入れてると邪魔なんですが。
                      これだと場所とらないし。

                      次の出張で活躍してくれそうです。


                      http://www.faber-castell.jp/23590/default.aspx


                      | 雑貨・マスキングテープ・文具etc. | 23:52 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                      和のシールを作る
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                        和柄のペーパーナプキンでシールを作成。
                        群言堂(http://gungendo.jp/)のペーパー和フキンの裏面に
                        両面テープを貼り、ひたすら切っていくだけ。

                        それを京都の鈴木松風堂(http://shofudo-shop.jp/)で買った
                        和紙の小箱に入れてみた。




                        4種の箱に、4種のシール。






                        緑の箱には、葉っぱのシール。




                        うちわ。




                        菊。




                        梅。

                        ペーパーナプキン特有のやわらかい手触りがいい感じです。
                        和紙のざらざら感よりも、もっとやわらかくて。
                        貼ってみると少し透けるのも良し。






                        このシールと和柄のマスキングテープを組み合わせて
                        はがきサイズのカードを作成。
                        うちわ柄は暑中見舞いにでも使おうかなぁ。


                        職場近くにあった群言堂の店舗が撤退してしまい、
                        今後どこでペーパー和フキンを買おうかと。
                        めぼしいものは閉店前にあらかた買ったんだけどね。

                             
                        | 作ったものいろいろ | 20:43 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |