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身辺雑記。
郵活とか読書記録とか、日々の雑事を備忘録的に。
 
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    No.9−不滅の旋律−
    0
      先日、こちらのニュースを見つけて思わずガッツポーズ。

      稲垣吾郎のベートーヴェン再び!
      「No.9−不滅の旋律−」3年ぶりの再演!!!

      でもでも。
      チケット発売日が思いっきり研修じゃん…。
      まあ、研修終わってからで間に合うはずもなく。
      案の定、チケット取れませんでした。

      これ、初演は北九州芸術劇場で上演されたんだよなぁ。
      ベートーヴェンが題材、中島かずきさん作、演出が白井晃さんときたら、
      面白さは保障されていたのですが、
      如何せん、ベートーヴェン役が稲垣吾郎さんという、ね。
      もう絶対チケットとれないだろうという、ね。
      チケット争奪戦に臨む前から心折れ、結局あきらめたという……。
      再演しないかなぁ、と思っていたのでしたが……。



      というわけで、読んでみました。



      中島かずき『No.9 不滅の旋律』(論創社 2015年10月)

      久しぶりに戯曲を読んだ。
      作者の中島かずきさんは、劇団☆新感線の座付き作家で、
      『髑髏城の七人』『アテルイ』『シレンとラギ』など
      私は以前から中島さんの作品が好きだ。

      本作は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンがテーマ。
      尊大でワガママ、だけど音楽に関しては天才! 
      そんなベートーヴェンが、難聴や時代の渦に翻弄されながらも
      自らの芸術を突き詰めていく。

      「政治はうつろいやすいが、芸術は不滅だ」。

      ベートーヴェンの孤独というか弱さというか優しさというか……、
      彼が傲慢に振る舞うほど、「誰にも理解されなくていい」なんて言うほど、
      なんだか見ている(読んでいる)ほうは切なくなるね。


      戯曲の醍醐味のひとつは、
      自分の想像で好きな役者さんを当て込んで読めるところ。
      さて、私の脳内キャスティングでは、
      ベートーヴェン役は(残念ながら稲垣さんではなく)
      NHKのアニメ「クラシカロイド」でベートーヴェンを演じた杉田智和さんでした。
      いいですよね、杉田さん。
      声に不遜さと優しさがあり、とてもベートーヴェンに合っていたと思います。

      あ、「クラシカロイド」も面白い作品ですが、
      ここで「クラシカロイド」の話を始めると長くなってしまうので(笑)
      中島さんと新感線つながりで、
      2期最終話で劇団☆新感線出身の橋本さとしさんの歌声が聞けて
      ビックリ&嬉しかったです、とだけ。


      もう結局ベートーヴェンが好きなのですよ、私は。


      そういえば、演出の白井さん、
      以前、NHKの「らららクラシック」のベートーヴェン回にゲスト出演してたなぁ。
      白井さんもちょっと見た目ベートーヴェンっぽいよね、と思った記憶が(笑)


      公式サイトもあった!


       
      | 本・読書 | 21:35 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
      原田宗典さん『じぶん素描集』
      0
        原田宗典『じぶん素描集』講談社 2009.4(写真:須藤夕子)読了。

        1ページに満たないものから、2ページ弱くらいの掌編のエッセイばかり。
        原田さんの短い文章は、適度なゆるさ、過不足のなさが好き。

        「妹よ、おまえはまるで・・・」では、
        妹で作家の原田マハさんへ向けた、あたたかな眼差しにほっこり。
        いいお兄ちゃんだ。

        「ひらがなのインパクト」は、
        ひやしきのこうどん(ひやし、きのこ、おろし、うどん)を
        「カミサン」(=奥様)が、「ひやしきの、こきおろしうどん」と
        読み間違えるという、微笑ましくも、
        ひらがなの羅列が生む可笑しみに気付かせるエピソード。

        新潮文庫から出ている、トルストイの『クロイツェル・ソナタ』は、
        「クロイツェル・ソナタ」と「悪魔」が1冊にまとめられている。
        原田さんは、2つの作品名とトルストイという作者名が
        表紙に「呪いのように」並んでいるのを見て、
        「何だか具合が悪くなってしまって、一頁も読めなかった魔の一冊」と。
        思わず笑う。

        90年代のエッセイに比べるとパンチが足りない気もしたが。
        さて、次は最新作の『〆太よ』を読まなきゃ。
         
        | 本・読書 | 01:33 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
        旅出張携行本問題・回答編
        0
          7/23の「旅出張携行本問題」について
          結局、迷った挙句、新しい文庫本を1冊連れて行くことに。
          出張先を地図で確認していたところ、近くに大型書店があるのに気づき、
          あれ?これ、立ち寄ったが最後、絶対無駄に買っちゃう罠じゃん!!と悟ったので
          比較的薄い積ン読本のうちの1冊、野尻抱影/山口誓子『星戀』を選んだ。

          今回は、

          1 行先に大型書店があり、
           (しかも閉店時間も遅いので行きそびれる確率ゼロ)
          2 1泊2日という短い期間だし、
          3 資料が重いので、できるだけ荷物を減らしたい
          4 だから読みたさより薄さを採用という妥協が成立!

          というのがポイントだった。

          星とか、そんなロマンチックな気分ではなかったけど、
          薄い、かつ、細切れ移動時間用に1編が短い、というのが良かった。
          実際はいろいろあって、本を読むどころじゃなかったんだけど。

          とりあえず、今回の答えは、野尻抱影/山口誓子『星戀』でした!
           
          | 本・読書 | 23:01 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
          旅出張携行本問題
          0
            読書好き・活字中毒の人ならば、大きな問題ではなかろうか。

            そう。
            旅先にどの本を持って行くか?問題である!!


            明日から1泊2日の出張。
            はてさて、どの本をお供に指名するか。
            荷物は極力減らしたい。
            でも、途中で読み終わってしまったら?
            (↑この恐ろしさ、活字中毒の方ならわかってくださるはず!)

            今読んでいる途中なのはヘミングウェイの『海流の中の島々』(上)。
            もう半分読んでいるので、読み終わっちゃいそう。
            でも、移動の間は寝ていることも多いし、
            そんなにサクサク読むような小説でもないし、残り半分でも十分かも?!
            いっそ、読み途中の本は置いておいて、新しい本を連れて行くか?
            だとすれば何を選べば??

            電子書籍という手もある。
            そうだ!こういう時の強い味方、電子書籍!
            こいつさえいれば「本棚」を持ち歩くようなものじゃないかっ!
            だけど、今リーダーに入っている100冊近い本のなかに、
            この出張中に読みたい本は……、ないなぁ。
            そういうこともあるよね。
            本はいっぱいあるのに「今読みたい」ものはない。
            面倒なことに「読みたい本」は「そのうちに」と「今すぐ」の2種ある。
            そして気分や体調、環境などなどによって「読みたい本」は変わる。
            だから積ン読という現象が起こるのだ、きっと。

            また、出張という条件も難しい。
            つまり仕事で出かけるのだ。
            これは憂鬱だ。
            こういう時、仕事に関する本は却下だ!!
            合間にも仕事のことを考えるなんて不健康すぎる。

            旅行ならまだいい。
            何かしら楽しい目的があるから、その目的に合わせて選べばいい。
            例えば、行先に合わせて紀行エッセイを選ぶ楽しみ。
            (国内だったら司馬遼太郎の『街道をゆく』とか)
            その地が舞台となった小説を探してみるのも、
            そこ出身の作家の本を選んでみるのもいい。

            でも仕事。
            のんびり読書を楽しむというより、
            気晴らしとか、移動などの隙間時間を埋める意味合いが強いか。
            細切れの移動時間のためには、短編集(ショートショートだとなおよし?)や
            短めのエッセイ集とかが最適なんだけど。
            もう、こだわらずに今読んでる途中のものをそのまま持ってくか?
            読み終わったら買えばいいんだし。

            ああ、でも、本屋に「読みたい本」がなかったら?
            そもそも本屋に立ち寄れなかったら?

            恐ろしい。
            恐ろしすぎる。

            と、こんなことを考えているから
            出張準備が終わらず涙目になっているのだ。

            でも大問題なんだよなぁ。 

             
            | 本・読書 | 23:09 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
            自分だけの地図を
            0
              長野まゆみ『メルカトル』(角川文庫 2018.2)読了。

              旅人が、自分の立ち寄った街について、
              宿を中心に、自分が訪れた路地や商店、食堂、酒場など、
              さらに出会った人々のこと――を、一枚の紙に次々に記録していく。
              まるで日記のように自分と世界の関わりを描いていくと、
              それはやがて「地図」となる。

              そんなプロローグから印象的だった。

              そして、主人公のリュスが働いている、
              「使われなくなった地図の鎮魂の場」である「ミロナ地図収集館」の、
              古い紙の少し埃っぽい匂いまで漂ってきそうな描写が素敵。

              リュスは地図収集館の受付カウンターで働いているが、
              風変わりな客も多く、時に彼らと会話を交わしつつ、淡々と仕事をこなす。
              ある日、リュスのもとに一枚の地図がもたらされる。
              差出人は、「地図製作技師 メルカトル」。
              同封の手紙によれば、この地図上の好きな家の鍵をリュスに進呈する、という。
              ここから、入れ代わり立ち代わりな感じで、
              いろいろな人物がリュスの前に現れては、奇妙な出来事を引き起こす。
              全ての事件はつながっているのか、それとも――??


              救済院育ちの孤児であるリュスは、
              それまでの経験から、いろんなことを諦めていて
              わりと理不尽な目に遭いながらも、どこか恬淡としていて。
              ああ不憫な子だなぁと。
              ラストは、なんとなく諦めていたものを取り戻しつつあるリュスの姿に
              少しほっこり、あたたかな読後感。

              事件のきっかけは、メルカトル氏から贈られた一枚の地図だったし、
              リュスの勤め先も地図収集館だけど、
              そんなに「地図」自体の存在感はなかったなぁ
              ――なんて思っていたけど、プロローグにあったように
              日々の出来事を点(地)として描いて、それを線(道)でつないでいくと、
              それは確かに「物語」という名の「地図」が出来上がっていた――。

              そして、リュスも読者も、
              これから自分だけの「新しい地図」を描いていけるのだ!

               
              | 本・読書 | 23:52 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
              積ン読はなはだし
              0
                3連休すごく良い天気でした。
                どこか遊びに行きたかったなぁ。
                1件仕事を残してしまって昨日1日だけしか休めなかった。
                しかも、ずっと待っていた某所からの「回答」が斜め上過ぎて
                もう笑うしかなかった(苦笑)
                いや、やれといわれればやりますけどね。


                さて。
                備忘録的に、最近買った本。
                半分も読めていない。
                結構前に買った本もまだまだ溜まっている。


                ・吉田悠軌『一行怪談 2』
                 →1が想像力を刺激して超面白かったので。期待大。

                ・青木やよひ『ベートーヴェンの生涯』
                 →復刊したんだ!

                ・野尻抱影/山口誓子『星戀』
                 →野尻抱影の随筆と、山口誓子の俳句。
                  「ページを繰るごとに星々が零れ落ちるような珠玉の随想句集」って
                  裏表紙の解説からして、ぐっとくるものがあります。

                ・赤瀬川原平『新解さんの謎』
                 →数年前に同僚に勧められたものを電子書籍で見つけたので。
                  赤瀬川さんがSMさんと、三省堂『新明解国語辞典』の謎に迫る名著?!

                ・ユキムラ/浅葉なつ原作『神様の御用人』1〜3
                 →『たむらまろさん』のユキムラさんは好きな漫画家の一人。

                ・ユキムラ『ぼくは灰も残らない恋がしたい』
                 →あ、全然こっち系も読みます。

                ・池森あゆ『柴くんとシェパードさん』全2巻
                 →あ、全然こっち(略)

                ・原田宗典『〆太よ』
                 →復帰2作目。応援したい作家さんです。
                  印税が正しく使われますように。

                ・須賀しのぶ『革命前夜』
                 →恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』、まだ文庫化しないのかなぁ、と
                  思いつつ買ったのですが、こちらも面白そうです。

                ・『簡単すぎ!でもハマる味 おつまみ手帖 211品』
                 →飲み歩いていないで家飲みにシフトしたい、と思って(笑)

                ・長野まゆみ『メルカトル』
                 →今読んでるのは、これ。まだ展開が読めない不思議なお話。


                積ン読が過ぎるぞ、自分。

                それにつけても
                学生時代に友人がふと口にした

                「たとえ読まなくても、積ン読でも、財産は財産だよ」

                というセリフは今考えても名言だ。
                心の底から讃えたい。
                そして、それを言い訳としながら日々本を買いたい。

                 
                | 本・読書 | 22:51 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
                旅する蝶
                0
                  大水滸伝ロスが続いていますが・・・
                  このシリーズを読む合間にほかの本も読んでいましたので、
                  ぼちぼち、そっちも紹介してみます。


                  横尾忠則さんの書評本で紹介されていた本から
                  “旅をする蝶”アサギマダラに関する本を読んでみた。

                  栗田昌裕『謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?』(PHP 2013.9)

                  横尾さんの本に出てくるのはこの栗田さんの本だが、
                  図書館でこの本の隣にあった次の本も併せて読んでみた。

                  佐藤英治『アサギマダラ 海を渡る蝶の謎』(山と渓谷社 2006.7)

                  佐藤さんの本は、Nature Discovery Books というシリーズ名の通り、
                  写真多めのビジュアルブックで、薄くてサクッと読めたし、
                  栗田さんの本を読む前の格好の導入本となった。


                  私が初めてアサギマダラという蝶を知ったのは、
                  川棚温泉で開催された「mt ex 展」がきっかけだった。
                  限定のマスキングテープの中にも、アサギマダラがあった。

                  →mt ex 展 川棚温泉の記事(2015.10.15)


                  栗田さんは、旅の途上のアサギマダラの翅にマーキングし、
                  全国の研究者とも連携しながら、その行動を記録・調査している。
                  その数は十数万頭(蝶は「頭」で数えるんですって!)にのぼるという。
                  自身がマーキングしたアサギマダラを、遠方で再捕獲することも。
                  これって、すごい確率。
                  栗田さんは、アサギマダラを「確率を超えようとして生きている存在」と言い、
                  アサギマダラの調査を「心の世界の法則を探る旅」と結論づける。

                  なぜ、アサギマダラは飛び続けるのか。
                  どこから来てどこで死んでゆくのか。
                  何を思って旅をするのか。


                  横尾忠則さんの書評では、
                  ただひたすらに飛び続ける、その行為自体がアサギマダラの目的なのだとしたら、
                  「創造すること自体を目的とする芸術家に似ているといえないだろうか」
                  とあった。

                  創造することで自身を表現する芸術家と、
                  旅を続けることこそが自己表現というアサギマダラ、か。
                  なんだかカッコいいなぁ(笑)


                  最後に、川棚温泉で遭遇したアサギマダラの写真を再掲。






                  こんな小さな蝶が、ひらひらと海を越えて2000キロも旅をするなんて!
                   
                  | 本・読書 | 23:59 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
                  兵どもが夢の跡
                  0
                    北方謙三さんの『岳飛伝』読了。
                    ということで、大水滸伝シリーズ全51巻、すべて読み終わった!!
                    『水滸伝』『楊令伝』は、すでに読み終えていたものを読み返し、
                    4月から3カ月かけて怒涛のシリーズ一気読み。

                    長かった〜。
                    長かったけど、楽しかった〜〜。
                    雄々しい気持ちになれた(気持ちだけ…笑)
                    革命、建国、そして人生がテーマだったという本シリーズ。
                    何度も何度も心震える場面があり、
                    本当に読み終えるのがもったいない作品だった。
                    今すぐ、もう1周したいくらい。

                    長編を読み終えた「燃え尽き」感、
                    そして、物語の余韻というべき「兵どもが夢の跡」感……、
                    英傑たちの姿が胸に去来し、しばらくぼーっとしてしまう予感。



                    しかし、ぼーっとしてる暇もなく迫りくる繁忙期!
                    そこが私の戦場と思い定めよ!!


                    やるだけやって、死ぬ。でも、働きたくない(笑)
                     
                    | 本・読書 | 21:08 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
                    星の航海術
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                      ウィル・クセルク/加藤晃生 訳
                      『星の航海術をもとめて ホクレア号の33日』
                      (青土社 2006.10)読了

                      先に、石橋正さんの『星の海を航く』を読んだのは、
                      この本を読むための前哨戦のようなものでした。
                      でもやっぱり船や航法、星の見方とか基礎的な知識が全くない私にとっては
                      ちょっと難しい本ではありました。

                      「本書は、情報の大洋を心の中に持つとはいかなることなのか、また、それを知識に変換し、さらには自らの意識と近くだけを頼りにして遥か彼方の陸地を目指すとはいかなるものなのかという問いに応えようとして書かれたものである」(p.10)

                      ハワイに住むナイノア・トンプソンが、
                      ミクロネシアのサタワル島に伝わる星の航海術を継承する
                      マウ・ピアイルグからその航法を学び、ホクレア号と名付けられたカヌーで
                      現代的な航法・機器を使わずに、ハワイからタヒチを航海することに成功する。

                      「ホクレア」とは、うしかい座の1等星「アークトゥルス」のことで、
                      ハワイの言葉で「幸福の星」。


                      写真家の石川直樹さん(この本の解説も書いている)は、

                       アートがもともとアルスという「技術」を意味するギリシャ語であるなら、
                       星の航海術こそ、人類が到達した最高のアートである

                      というようなことを言っていた。
                      石川さん自身もマウ・ピアイルグに弟子入りして星の航海術を学んでいる。


                      星の航海術、と一口にいっても、星だけを見て航海するわけではない。
                      太陽や星の種類とその位置に加えて、風や波、鳥が進む方向など、
                      ありとあらゆる自然現象を注意深く観察して進む方向を見出していく。
                      まさに、ウェイファインディング(way finding)。


                      自然に対する畏怖はもちろん、
                      その自然に寄り添い、対話し、知恵を授けてもらう――
                      人類がそんなふうに生きてきた時代は、もう遠いんだなぁ、と。
                      それだけに、その知恵を、つないでいこうとする人々に敬意を表したい。

                       
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                      『猫の散歩道』読了
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                        保坂和志『猫の散歩道』(中央公論新社2011.2)読了。
                        横尾さんの本で紹介されていた本の中の1冊。

                        猫にまつわるエッセイのみを集めたもの、かと思ったら、
                        結構豊富な話題で楽しめました。

                        読書は情報・知識を得るための行為ではない、という読書論も。
                        (読書論、好き!!)
                        ちょっと長めに引用しておく。

                        「読書とは長い時間を費やして、ひとりの作家の思考をたどることだ。それがなんの役に立つかなんてことは大事な問題ではない。
                         一冊の本を何日も時間をかけて読んでいくという行為は、視覚には絶対に還元されることのない思考というものが厳然とあるということが体に染みるように実感されることで、こればっかりは読書経験の貧弱な人には絶対に理解できない。人間を人間たらしめている抽象という次元は、参考書にあるような視覚イメージを使ったチャートとは全然別物で、言葉と心の中にある漠然として視覚ともいえないイメージの中にしかない」(p.27)


                        経済学者で元世界銀行副総裁の西水美恵子氏が
                        進路に迷っていた時、太平洋を眺めていたら
                        「経済学をやる」と啓示のようにすうっと答えが見えた、
                        というエピソードを紹介しつつ、

                        「論理的な積み上げだけではどうにも解決が得られないとき、人は風景から答えを与えられる。論理的な積み上げだけで得られる答えなど、普通サイズの人間の枠を一歩も出ない」(p.52)

                        「日常べったりの思考では啓示なんて、ただ神懸かっているだけで敬遠されるのがオチかもしれないが、本当に重要な問題は、風景つまり自然の力によって切り開かれる」

                        「人間の思考というのは風景の力を得て、一段上に行くのだと思う」(p.53)

                        と、風景=自然が人間に重要な示唆を与えることを描いた章は
                        風景を「体に取り入れる」石川さんのエッセイともつながる。


                        また、

                        「美術でも音楽でも、作者の事前の設計図どおりに収まるようなものはたいしたものではない。優れた芸術作品はすべて、作者の意図を超える。だからこそ芸術は一生の仕事に値する」(p.98)

                        という芸術論もなんとなく共感。

                        「努力してできる仕事なら私はもうしない。努力してできるかどうかわからない仕事ならかけてみたい」
                        と、自らの命を削るように(そして本当に自ら命を絶った)
                        絵を描き続けた鴨居玲の言葉を思い出した。


                        本当に私が体験したことではないけど、
                        読書を通して体験(想像)したことがつながっていく感覚。

                        本を読んで「知った気になる」ことはとてもとても危険だけど、
                        「さもありなん」という想像力が自分に培われていくということは
                        悪くはない、という気がする。

                         
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